カラーの話

白髪染め、オシャレ染め、マニキュア、ブリーチ...

ホントは知らないカラーの話。


カラー剤を髪に塗布するまで



カラー剤は1剤と呼ばれる色を決める薬剤と2剤(液)と呼ばれる明るさを決める2つの薬剤を混ぜます。

1剤と2剤に化学反応が起こり、発色が始まります。

混ぜ始め、およそ20分間のうちは明るくなります。
しかしそれ以上はいくら待っても明るくはなりません。

家でカラーする際に覚えておくといいでしょう。


市販のカラー剤とサロンカラーの違い



今はドラックストアやスーパーで簡単にカラー剤が安く手に入ります。
いったい何が違うんでしょう。


何が違うのか?



最初に頭に入れて頂きたいのが、市販のカラー剤は最初から色味、明るさが決まっていると 言う事です。

これはどういうことかというと自分で髪の状態を見極め、選ばなければいけないということです。

逆にサロンカラーはとてもたくさんの種類があるので柔軟に対応出来ると言う事です。

それぞれの違いをグラフに簡単にまとめてみました。

そして具体的な説明を下に書いていきますので見比べてみてください。



明 るさ ダ メージ 種 類 退 色後の色味 価 格
市 販 × ×
サ ロン


明るさ



市販のカラー剤は明るさの変更ができません。最初から色の明るさは決まっており、調節はできません。

一番需要のある明るさ(8Lv)がメインで置いてあるので、多少色を暗くしたいと思っても難しいです。

微調整はできないと思ってください。

明るさを決める2剤は当然1種類になります。この市販の2剤は明るくする為だけの薬になります。

一方、サロンのカラー剤は色の明るさが1〜12の段階で別れており、更にはブリーチなど

それ以上明るくする事も可能です。

ほぼ全ての明るさを再現出来ます。

明るさを決める2剤はサロンによって違いますが、

普通は明るくする為の液、色味を入れる為の液、その中間の液の3種類になります。

他にも目的によって使い分ける液がありますが、難しいので省略。

この3種類を場所によって使い分けるので明るさは自由自在に調節可能です。

ダメージ



ダメージははっきりと差がでます。

市販の物は薬剤が強めに設定してあるので必ず一定のダメージを髪に与えてしまいます。

終わった後もキューティクルが開きっぱなしなのでダメージが蓄積されていきます。

カラーをした後はサラサラになるというのを聞きますが、それはコー ティング剤によるものです。


髪の毛は確実に傷んでいます。


サロンカラーも同じくらいの強さの薬がありますが、全部を同じ薬で塗るわけではありません。

弱っている部分には色味を優先し、なるべく明るくしないようにする。

根元の方には少し強めのカラー剤を塗布し、色味よりも明るさを優先する。
こんな感じで調節していきます。


髪の根元から毛先まで全て同じ薬でっていうのは想像以上にダメージを受けます。


種類



市販のカラーは種類多くなってますね。
シルバーや赤、茶色、クールブラックなんて物もあります。
よく使う、需要のある色は結構あります。

サロンカラーは莫大な種類があります。マニキュア、白髪染め、オシャレ染め、その他へアバターなど。

希望の色が見つからないことはないと思います。

退色後の色味



市販とサロンのカラー剤において1番差がでるのがこの退色後の色 味です。

ぱっと見た感じ、市販のカラーもサロンのカラーも仕上がりの色味に関してはそこまで変わらないかと思います。

しかし1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月と時間が経つにつれてその差は明確になってきます。

市販のカラー剤は強めの薬剤を使っているのでサロンのカラー剤よりもキューティクルが開きます。

するとそのキューティクルの隙間から染料や栄養分が流れ出て行きます。


時間が経つほど色味が抜け、黄色っぽい色になり最初よりも若干明るくなります。


サロンのカラーも色味が落ちると黄色っぽくなり色味は薄れますが市販のカラー剤ほど明るくはなりません。



価格



価格に関しては市販の方がお財布に優しいですね☆





その他の違い



コーティング剤が市販のカラーにはより多く含まれているので仕上がりを勘違いしやすい。

実はかなり傷んでいるのにサラサラになっているからアフターケアはしない、というパターンが多い。

退色した後にサロンで染めようとしてもなかなか色が綺麗に入らない。

サロンカラーは比較的融通が効くが、市販のカラーは染料がとても強い為になかなか色が抜けにくい。


サロンには染料を抜く為だけの薬があるくらいです。


なので市販のカラー剤で染めた後にサロンでカラーしても綺麗に一色になりずらい。
サロンで毎回カラーしていれば毎回綺麗にグラデーションになり、綺麗を保てる。


黒染めの成分が全く違う。



市販のものは『黒色』
サロンのは『黒に見える混合色』


これはどれほど違うんでしょう。

黒色は主張が強い為に脱色がとても難しい。

やっぱり黒をやめてまた明るくしたい、と言う時に1回では希望の色になりずらい。

大抵はブリーチか専用の薬を使うのでダメージもより多く受けてしまいます。

しかし黒に見える混合色の場合、真っ黒の染料ではない為に市販のカラーに比べ容易に脱色できる。

黒染めが飽きた後の事を考えたら確実にサロンで行った方がいいですね。




ーサロンカラーと市販カラーの違いのまとめー




   1. 市販のカラーは種類もそこそこあり、価格もお手頃だが色の微調整ができない!
   2. 自分でやるのでそれなりの知識がないと綺麗に仕上がらない!
   3. 時間が経つにつれて色味は薄まり、ダメージも多い!




   1. サロンのカラーは少し値が張るが確実に仕上がる!
   2. 時間が経っても市販に比べて色味の抜けも少なく、ダメージもそこまでひどくはない!
   3. なによりもサロンでカラー後のケアをしてもらえるのが魅力的!



どちらにせよ1ヶ月、2ヶ月先の事を考えて選ぶといいと思います。









塗り絵をするとき、画用紙は何色ですか?



カラーは塗り絵と似ている



さて、違いが分かった所で次はまた違う話を。


雑誌やテレビを見ているとみんな綺麗な髪色してますよね。
あの色は何色なんだろう、どうしたらあの色にできるだろう、どのぐらい傷むのだろう。
一瞬のうちにたくさんの疑問が浮かぶと思います。

簡単に理解できるたとえ話をひとつ。


小さい頃に塗り絵はした事あるでしょうか。

カラーリングと言うのは塗り絵に似ている事があります。

綺麗に色を塗るにはどうしたらいいでしょうか。

値段の高いクレヨンを使いますか?

質のいい紙を買いますか?




答えは簡単です、白い紙を使います。

安いクレヨンでも画用紙が白色ならば綺麗に発色しますね。

しかし黒い紙に青色を塗ってみても全く色が確認できません。


カラーリングもこれと同じで黒色の髪にいきなり真っ赤な色を入れようとしても全く発色してくれません。

しかし金髪の明るい髪にカラーリングすると綺麗に赤が発色してくれます。

透明度の高い色や、海外の人の綺麗な色を再現しようとするならまず黒色からできるだけ明るくする必 要があります。

元の髪色が白に近づくほど綺麗に色味はでるのです。

しかし当然ダメージも明るくなるにつれて大きくなるのでよりいっそうケアが重要になってきます。

透明感のある綺麗な色味はまずほとんどがブリーチなどを使い、明るくする事から始めます。


色味によって抜けやすい色と抜けにくい色がある



赤や黒や青、緑などの色味によって抜けるスピードが違います。
そこまで大きくは変わりませんが....

まず暖色系(赤系)は比較的退色しにくいです。

そして寒色系(青系、アッシュ系)は暖色系に比べると持ちが若干短いようです。

これはカラー剤の粒子の大きさに違いがあるために起こります。

アッシュ系などのカラー剤は粒子が大きい為に毛髪の奥まで浸透しない為に比較的に早く退色します。

それに比べ暖色系のカラーは粒子が小さく、髪の内部まで浸透するのでアッシュ系に比べると比較的持ちが長いと言えます。


しかしこれは美容師の塗り方や時間の置き方によっても変わってきますので参考程度に考えてください。

なぜ色は退色するのか


上にも書いてありますが、カラーリングは粒子を髪の中に浸透させる事で発色させています。
ですのでこの色の粒子が髪から流れ出てしまうと退色していきます。

退色していく主な原因は以下の通りです。


退色する主な原因
暖 色系(赤系)
シャンプー 汗 プール
寒 色系(アッシュ系)
紫外線 化学薬品 ドライ ヤーなどの熱


黒染めってなに?


学生さんがよくされるメニューです。
やっぱり一度は明るくしたいですもんね。でも黒染めしちゃうと結構大変。

なんででしょう。

カラーリングは時間が経てば退色して行く事は既に説明しました。

しかし全て暗くして、元の自然な色に近づけることを黒染めといいます。


自分で黒染め



黒染めは全部黒にすればいいし、簡単だから市販のカラー剤でいいや!

なんて人少なくないですよね?

しかしこの黒染めほど注意して欲しいことはないのです。

なぜか?

黒の染料が強すぎるのです。特に市販のカラー剤は『黒色』

真っ黒です。アジア人はみんな元の髪色が真っ黒であることは少ないのです。

少し茶色な人もいるし、だいぶ明るい人もいます。
そんな人たちにいきなり真っ黒のカラーリングをしたら...
カツラみたいな不自然さがでます。明らかに不自然です。カラスみたいな黒色です。

そして何よりも飽きた時に脱色しずらい。


色の中で一番強い色味の黒を完全に取り除くには施術の工程が長くなります。

それによりダメージも普通より多く受けてしまいます。

大抵はブリーチなど強い脱色剤で黒を取り除いてから希望の色をいれていきます。

しかしムラになる確率も高いのであまり自分で黒染めをしない方がいいですね。


美容室で黒染め



自分で黒染めするのと違う事は、サロンの黒染めは『黒色に見える混合色』ということ です。

真っ黒ではなく、黒色に見えるように様々な色を混ぜて黒色に似せて作ります。

この混合色の黒にすることによって、その後のカラーリングが全く 変わってきます。

ブリーチをする必要がほとんどなく、通常のオシャレ染めの明るい色を使って脱色することができます。


といってもやっぱりすぐには明るくならないのですが^ ^;


ブリーチをするのとしないのとではダメージも仕上がりも全く違ってきます。
黒染めをするならばその先の事も考えてカラーリングしましょう。








希望を叶えるには妥協することも必要



明るくしたいけどパサついて見えるのが嫌だ、枝毛が目立つ、毛先が引っ張っただけで切れる。

ハイダメージになるとそれに伴って悩みも増えます。


髪色が明るくなるほど枝毛やダメージが目立つようになります。
ツヤもでにくくなります。


美容師は魔法使いではないので全ての願いを叶える事はできません。
何かを選択すれば、受け入れなければならない事もあります。

色味を特にこだわりたいのであればダメージはある程度覚悟してく ださい。

ダメージを抑えたいのであれば髪色はある程度制限されます。


具体的なことはここでは言えませんが、どこまで妥協するかは髪を直接見ている美容師と相談しながら決めてください。

カラーをやろうと思って美容室に行ったけど、できないと言われた..
なんて悲しい事は美容師もできれば言いたくないです。


ワクワクドキドキして来て頂くのにそれをできませんの一言で終わらせたくありません。
だからできるだけ最善の道を探します。

しかし、髪の事を考えて時にはお断りさせて頂くことがあるということを少しだけ覚えといてください。
 
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